COOCAN人探訪 >第7回 一級建築士 建築家 大野鶴夫さん

「モノ」と「ヒト」との素敵な関係を訪ねて COOCAN人探訪 クゥカンジンタンボウ

大切にしたいのは人間らしいコミュニケーション。

素敵なオフィスには、ギャラリー空間が併設されています。
ここを拠点に、アート作品の情報発信を考えておられるとお聞きしました。

■大野
きっかけはですね、
知り合いのアートを学ぶ学生がね、個展を開きたいと。
でも、商業ギャラリーを借りるとなると、お金がかかる。

じゃ、そんな学生にここを使ってもらって、
応援できないかと考えたわけです。
普段はうちの事務所が、
作品の展示と打ち合わせとかで使っていますが、
スペースとしては、そんなに要らないわけで、
普段は空いているのです。

もちろん、学生だけじゃなく地域の方でも、
例えば、いまリタイアしたシニアで
写真を趣味にしている方が多いですよね。
中には、大変レベルの高い作品を撮っておられて
皆さんに見ていただきたいと考えておられる方も、
いらっしゃいます。そんな方でもいいのです。

地域貢献って大げさな言葉は要らないですが、
この街のシニアや学生が作品を通して、
地域の方とさまざまなふれあい、
出会いを生んでくれたらいいなぁと。
駅にも近いし立地のいい場所で、
しかも一階のスペースですから。

今、若い人もサラリーマンも、
コミュニケーションのカタチが変わってきていると思います。
電車に乗ってもそうでしょう。
回りを見てもみんなスマホの画面に顔を向けていますよね。
私なんかは、ずっと窓の外の街を見ていますが(笑)

ネットやデジタルのバーチャルなコミュニケーションじゃなく、
人と面と向かって、話をしたり、
作品を通して同じ場や空間を共有するということが、
世代を問わず今の時代とても大切だと思うのです。

これは、ギャラリーという、
公共のスペースだけの話じゃないですね。
私の仕事で、個人の住宅ですが、
2世帯住宅を設計するときに、
お年寄りの居室を1階部分に設けたのですが、
その居間から前の通りを見渡せるように設計しました。
家に居ながら町の人とふれあえるといいますか、
ご近所さんも気軽に入ってこれるように、
居室の前に土間も設けました。
昔の日本の都会の家屋では、
こんなご近所とのコミュニケーションが普通にあったと思います。

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