COOCAN人探訪 >第4回 大阪樟蔭女子大学インテリアデザイン学科 教授 塚口眞佐子さん

「モノ」と「ヒト」との素敵な関係を訪ねて COOCAN人探訪 クゥカンジンタンボウ

自宅に招いて、気軽にもてなす。人と交わり楽しく暮す妙薬です。

北欧に学ぶ自宅コミュニケーションとは。

■塚口
ひとり暮らしの高齢者の住宅が
見事にキチンとされてるのは、
常に人を招いているからなのですね。
人を招き入れる習慣があることで、
常に室内に意識がいくからといってもいいでしょう。
個人の住宅以外の場所でもスウェーデンでは、
「お茶しましょう」「パーティーしてあげるよ」
としょっちゅうです。

でも、そんなおもてなしは、
全部ほんとに普段着なんです。
出されるものも特別なものは何もなくって。
ただ、テーブルウェアやクロスだけはきちんとしています。
そして必ず、昼間でもテーブルには
キャンドルが灯されています。

そんな普段着のお招きは、
招いてくださる方のお宅の個性が垣間見れて
楽しいものです。
招かれた方はそうやって、
その人をもっと理解することができますし、
招いてくださった方との距離がよりいっそう近くなります。

日本の高齢者の方にも、
そんなコミュニケーションが広がればいいなと思います。
人と交わり楽しくいきいきと暮すためにですね。
日本ではどうしても、
「おもてなし」は面倒くさいし、
招かれる方も気遣いがあります。
特別なおもてなしは、むしろ気遣いを生みますしね。
だから、いつもの自分でいいのですよ。
特別な料理を出す必要もないし。
持ち寄りでいいかもしれません。
場合によっては、飲むことも食べることも
必要ないかもしれません。

「場」を楽しむ気持でいいと思います。
人は外では見えないところもたくさんあります。
だからこそ、自宅に招く、そして気持を通じ合う。
そんなコミュニケーションを実践してみてはいかがでしょう。

高齢者の方に限らず、
自宅がなぜか雑然としていると感じておられる方も
多いと思います。
そんな時、人を招いて自宅で過ごして見てください。
客を招くということは家を人目にさらすことですから、
家に対する意識も高くなり、片付けもするし、
インテリアにも気を使うようになります。
多少、面倒なことも、
邪魔くさいこともあるかもしれません。
でもそれをやることで、
きっと毎日がいきいきと楽しくなります。
好循環が生まれてきますよ。

スウェーデンでは、福祉施設のケアスタッフも普段着ですし、
役所も病院も、オフィスも
住宅と変わらないインテリアのところが多いですね。
どこにでもキッチンがあり、
いつでもみんなでティータイムを楽しんでいます。
働くことと暮すことを分けない考えが
そこにあると思うのですが、
日本でもソトと、ウチの境界線を越えて、
人との交わりの機会が増えればと思いますね。

イメージ画像

イメージ画像

ティータイムにキャンドルを灯して

イメージ画像

仕事前に・会議中もいつでもTEA or COFFEE

イメージ画像

施設らしくない雰囲気 職員も私服で

イメージ画像

老人ホームの外観

Table Style インテリアコーディネーターとしても活躍中の塚口さんの、おもてなしのためのテーブルコーディネートの実例。自宅兼建築事務所である「関大前の家」のリビングで。

イメージ画像
南国の太陽を思わせるモダンなコーディネート
イメージ画像
アジアンスタイルでリラックスタイム

イメージ画像
大阪樟蔭女子大学 http://www.osaka-shoin.ac.jp/univ/
小阪キャンパス:〒577-8550 東大阪市菱屋西4-2-26 TEL:06-6723-8181(代表)
  • 1
  • 2

インタビューを終えて COOCANスタッフの編・集・後・記 Click Here!!→→

Recommended

魔法のか・ん・た・んインテリア術
2020.10
簡単お洒落に探さない収納。
出しっ放しのまとまり感。