北欧に学ぶ自宅コミュニケーションとは。
■塚口
ひとり暮らしの高齢者の住宅が
見事にキチンとされてるのは、
常に人を招いているからなのですね。
人を招き入れる習慣があることで、
常に室内に意識がいくからといってもいいでしょう。
個人の住宅以外の場所でもスウェーデンでは、
「お茶しましょう」「パーティーしてあげるよ」
としょっちゅうです。
でも、そんなおもてなしは、
全部ほんとに普段着なんです。
出されるものも特別なものは何もなくって。
ただ、テーブルウェアやクロスだけはきちんとしています。
そして必ず、昼間でもテーブルには
キャンドルが灯されています。
そんな普段着のお招きは、
招いてくださる方のお宅の個性が垣間見れて
楽しいものです。
招かれた方はそうやって、
その人をもっと理解することができますし、
招いてくださった方との距離がよりいっそう近くなります。
日本の高齢者の方にも、
そんなコミュニケーションが広がればいいなと思います。
人と交わり楽しくいきいきと暮すためにですね。
日本ではどうしても、
「おもてなし」は面倒くさいし、
招かれる方も気遣いがあります。
特別なおもてなしは、むしろ気遣いを生みますしね。
だから、いつもの自分でいいのですよ。
特別な料理を出す必要もないし。
持ち寄りでいいかもしれません。
場合によっては、飲むことも食べることも
必要ないかもしれません。
「場」を楽しむ気持でいいと思います。
人は外では見えないところもたくさんあります。
だからこそ、自宅に招く、そして気持を通じ合う。
そんなコミュニケーションを実践してみてはいかがでしょう。
高齢者の方に限らず、
自宅がなぜか雑然としていると感じておられる方も
多いと思います。
そんな時、人を招いて自宅で過ごして見てください。
客を招くということは家を人目にさらすことですから、
家に対する意識も高くなり、片付けもするし、
インテリアにも気を使うようになります。
多少、面倒なことも、
邪魔くさいこともあるかもしれません。
でもそれをやることで、
きっと毎日がいきいきと楽しくなります。
好循環が生まれてきますよ。
スウェーデンでは、福祉施設のケアスタッフも普段着ですし、
役所も病院も、オフィスも
住宅と変わらないインテリアのところが多いですね。
どこにでもキッチンがあり、
いつでもみんなでティータイムを楽しんでいます。
働くことと暮すことを分けない考えが
そこにあると思うのですが、
日本でもソトと、ウチの境界線を越えて、
人との交わりの機会が増えればと思いますね。
- 大阪樟蔭女子大学 http://www.osaka-shoin.ac.jp/univ/
小阪キャンパス:〒577-8550 東大阪市菱屋西4-2-26 TEL:06-6723-8181(代表)
- 1
- 2