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大阪樟蔭女子大学インテリアデザイン学科 教授 塚口眞佐子さん

第4回 大阪樟蔭女子大学インテリアデザイン学科 教授 塚口眞佐子さん 「面倒なことも、やりましょう。」人と交わり、生活をもっと楽しくするために。

建築家、そしてインテリアコーディネーターで、教育者でもある塚口眞佐子さんは、
スウェーデンをはじめとした北欧への訪問を通じて知る高齢者の生活や暮らし方を、
さまざまなメディアで発信されています。
そこには、思わず「こんな暮らしをしてみたい」、「あんな老後を送りたい」と感じる
福祉先進国北欧の実際があります。

もちろん、国の制度や国民性といった違いがあり、そのままお手本にはできないかもしれないけれど、
今、超高齢社会の入り口に立つ日本のシニアが、もっといきいきと暮らすため、何かそこにヒントがないのでしょうか。
そんな想いのCOOCANスタッフが、いろいろなお話をお伺いしました。

バリアの有無ではない。そこには多少の不便も厭わず、いきいきと暮すシニアの姿がありました。

福祉先進国の北欧と言えば、
バリアフリーの進んだ街や住宅を想像しますが。

■塚口
ごく普通の高齢者が暮すお家を訪問すると、
室内はどこもキレイにきちんとされているのですね。
一人暮らしのお宅でもですよ。
もちろん近くに住む子供たちのサポートもありますが、
一見すると「高齢者の暮らし」っていう感じには見えない。
住宅そのものも若いときからずっと暮らしてきた住宅ですから、
バリアフリーでもないですし。

それより、皆さん自分が自分であることの
よりどころを大切にされています。
例えば、壁に一面好きな絵や写真を飾り、
自分の好きなものに囲まれて生活されています。
幾つになっても自分らしさを失わず生活されているのですね。
いわゆる公的な高齢者住宅に入るときでも
今まで使っていた家具を持ち込み、
思い思い家族の写真やお気に入りの絵を飾り、
自分だけの空間を作り上げておられます。
自宅の延長なのです。
だから、好きなお酒も手放さないし、お洒落もします。
もちろん、多民族の欧州で
日本のような同質社会ではないことは確かですが、
高齢者でも他の人とは違う自分らしさを大切にして、
良い意味での"ワガママ"であり続けておられます。

それと、大切なのはそんな高齢者を受け入れる社会です。
というか、高齢者を分け隔てしないのです。
高齢者を弱者として見ない、
過保護がないというのでしょうか。
これは一例ですが、スウェーデンの街にしたって、
例えば信号機なんかは歩行者用の「青信号」も
若い人でも足早に歩かないと、渡りきれません。
あちらこちらに段差もあります。
街づくりが高齢者に優しいか、
といえば、決してそうはいえない。

多少の不便は感じていても、
今できる範囲で能力を最大限に使って生活する。
つまり、さまざまなバリアと共存する方が、
結果的に残存能力を維持していけるという考えが
あるように感じます。
そんな北欧の現状を垣間見て感じるのは、
日本の高齢者の方も至れり尽くせりの
完璧な高齢者仕様の住宅で楽に暮すより、
たまには「ドッコイショ」と、アタマもカラダも
働かす生活の方がいいのかなぁと感じています。

イメージ画像

認知症婦人の居室

「河内ワイン館」

複合施設にホテルと同じ照明

「サロン・ド・トワ」

壁面は残さず絵画で装飾

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