COOCAN人探訪 >第10回 ロージック プリザーブドフラワーショップ&アトリエ 「Ro:zic die floristin」 Owner/Designer サクラヤマ ミドリさん

「モノ」と「ヒト」との素敵な関係を訪ねて COOCAN人探訪

第10回  生花とはひと味違う。つくりこむことで輝きを増す、プリザーブドフラワーの魅力を伝えたい / ロージック プリザーブドフラワーショップ&アトリエ
「Ro:zic die floristin」
Owner/Designer
サクラヤマ ミドリさん

大阪・心斎橋にほど近い立地ながら、大通りから一本入ると路地が入り組み、古い町屋が軒を連ねる谷六界隈。都会の喧騒とノスタルジックな風景が同居する街並みに惚れ込み、プリザーブドフラワーショップ「Ro:zic die floristin」を開いたサクラヤマ ミドリさん。こぢんまりした店内は至るところに作品が並び、どこを見ても女性がときめくロマンチックな空間が広がっている。しかし、それらを手掛けたサクラヤマさんご自身のいで立ちはいたってシンプル。ファッションも紡ぐ言葉も、飾らずまっすぐ潔い。そんなサクラヤマさんの仕事観をお聞きしました。

インテリアのスタイリング、そして、生花のアレンジを経て見つけた、プリザーブドフラワーデザイナーという生き方

「Ro:zic」オープンまでのご経歴を教えてください。

デザイン系の専門学校を卒業後、広告写真のスタジオで1年ほど
スタイリストのアシスタントをしていたんです。
そこでご一緒していたフラワーコーディネーターの方の仕事に興味を持つようになり、
本人に「どうしたらなれますか?」と尋ねたところ、
「まずはお花屋さんで働いてみたら」とアドバイスされ、すぐに転職を決めました。

心斎橋や南船場、京都などいくつかのお店を経験しましたが、
始めたばかりの頃から「向いているな」という手ごたえがあって(笑)。
天職だと思って働いていたら、あっという間に10数年が経っていましたね。

シンプルイズベストがサクラヤマさんの信条。選ぶファッションもご自宅のインテリアも、すっきりシンプルが落ち着くそう。「こだわりは全部お店に注ぎ込んでいるからかな」。

でも、長く続けているとおのずと任される役割は変わってきます。
現場よりマネジメント寄りというか。
管理職的な仕事もするならどうせなら会社じゃなくて自分のために、と
独立するために退職を決めた頃、プリザーブドフラワーという素材に出会って
専門に扱うお店をすることに決めました。

生花の美しさには、本来あれこれアレンジする必要のない勢いや力があります。
その点ではプリザーブドフラワーは生花には敵いません。
でも素材としての魅力は大きい。
本当のお花には違いないんだけど手芸材料のような部分もある。
そういうところに材料としての可能性ややりがいを感じて
「やってみようか」と。

どこを切り取っても素敵な店内。ロマンチックでありながら、甘すぎない大人っぽさが魅力です。

長く生花に携わってきた経験が私の強み。それを活かして、求められるものをかたちにしたい

プリザーブドフラワーの制作をするうえで、大切にしていることはありますか?

私が心掛けているのは、お客様が求めるものに応えること。
お花の種類や色、かたち、イメージなどを細かくお聞きして、
それに沿う作品をつくりたいと思っています。

実は「オリジナリティを出す」ということは特に意識していません。
ただ 求められているだろうことに応えつつも
材料の魅力を最大に活かせるように、というのが
ずっと変わらないポリシーであり、オリジナリティにつながっているのかもしれません。

一つひとつの言葉をじっくり選び、お話をされるサクラヤマさん。静かな語り口から仕事へのひたむきな愛情が伝わってきます。

プリザーブドフラワーを手掛けるお店は色々ありますが、「Ro:zic」のプリザーブドはデザイン、色合いなどすべてが他とはひと味違います。

うれしいことがありました。
遠方からのメールオーダーで、ウェディングブーケのご依頼でしたが
お式直前の花嫁さまで、
通常3週間程度かける打合せ過程のほとんどを飛ばして、
最低限必要なご要望だけをお電話で伺い、数日で制作・発送しました。

到着後に、気に入っていただけた旨のメールをいただいて安心しましたが、
その中にあった、ご依頼主さまのご主人さまが語られたという言葉、
「このブーケを作った人はお花の本当の美しさを知ってる人だね」と。

自分で言うのは大変おこがましいくらい、素敵な言葉をいただいたのですが
直接お会いしていなくても、ほんの少しのやりとりでも
出来上がったもので何かはちゃんと伝わっているんだなって、
すごくうれしかったです。

長く生花に携わっていたからこそ、わかることがある。美しさや力強さ、儚さを併せ持つのがサクラヤマさんの作品の魅力です。

手間いらずで美しいお花が長く楽しめる。プリザーブドはシニアのみなさんにもぴったりのアイテム

手掛けるのはやはりウエディングに関するものが多いのでしょうか?

そうですね。ご注文いただくもののほとんどがウエディングに関わるもの、
ブーケやヘッドドレス、リストレットなど花嫁さんを彩るものが多いです。
その中でもヘッドドレスのご注文を数多く受けるようになって、
生花だけに携わっていたころにはそれほどではなかった
ファッションとの関わりを強く意識するようになりました。

ファッションとしてのトータルコーディネートはもちろん大切で
トレンドももちろんあるし、
花嫁さまからアドバイスを求められればお答えしていますが、
ウェディングのお花の制作で何より大切に考えているのは
(花嫁さまに)大好きだと思ってもらえるお花であること、
身に付けることで気分があがる、幸せな気持ちになってもらえるお花であること。

大好きなものを身に付ければ自然に自信がついていい表情になりますし、
結果、身に付けた方の魅力をいっぱいまで活かすことができると思っています。

花嫁さんの表情をより美しく見せる花冠はウエディングシーンに欠かせないアクセサリー。

冒頭でオーダーのほとんどがウエディングに関わるものと言いましたが、
意外と多いのが仏壇にお供えするお花としての需要です。
お花は絶やしたくないけれど、高齢になると水を換えるのが億劫になったり、
ちょっとした手入れが面倒だったりしますよね。

また、故人を近くに感じていたいと写真を飾る方も多いと思いますが、
フォトフレームを彩るアイテムとしてもプリザーブドフラワーはぴったり。
花瓶にお花を生けてフレームのそばに飾るより、
ずっと手軽に故人への想いを表現することができます。

プリザーブドフラワーなら故人の好みに合わせたアレンジメントが選べ、
お手入れ不要でいつまでも生花のような美しさが楽しめる。
これからはそんな魅力をシニアの方にも発信したいと思っています。

故人が好きだったお花でフレームを飾る。これもプリザーブドフラワーならではの楽しみの一つ。お部屋がぱっと華やぐと好評です。

20代からお花に携わってもうずいぶん経つけれど、
感覚的には始めてまだ3年ぐらいの気分。
作ることにはこれからもきっと飽きないし、
仕事を通していろんな新たなことに向き合う機会があるのは
幸せなことだと思います。

年齢や経験を重ねると、
「これまで通りのやり方」にとらわれがちですが、
仕事でも、仕事以外でもそれはとても危ないことです。
何よりも、ためらわず変化していける柔軟さを忘れず
持ち続けていたいと願っています。

イメージ写真
Ro:zic die floristin (ロージック)
〒542-0062 大阪市中央区上本町西2-1-14
TEL/FAX:06-6762-2113
http://rozic.cc/index.html

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