


高齢者の方をはじめ少し腕が上げにくい方でも、
テーブルに置いた手を、そのまま取っ手に持っていくだけでしっかり
握れるように、取っ手は下部に膨らみを持たせています。



大きい取っ手は男性の手でも4本の指がスムーズに入りしっかり
安定して握れます。
小さい取っ手は、主に女性の小さな手に合わせたサイズです。

そして、もうひとつの工夫が、飲みやすさ。
マグの底部を細くして重心を上部に持ってくることで、
少しの傾きで飲み物等の中身がスムーズにお口に流れ、
飲み切れるようになっています。

底部を細くすると、置いた時に安定感が損なわれますが、
高さのある大きめの高台を付けることで、安定性も確保しました。

大きめの高台は、熱いものを飲むときに手を添えれば、
熱さも手に伝わりにくいです。
一般に陶器は、磁器よりも厚く重たい感じがしますが、
このマグは持ちやすいデザインに工夫を凝らしつつ、
出来るだけ薄くすることで、軽さも求めました。
取っ手の大きさ、握りやすさと相まって、
持ってみればその軽さを感じていただけます。

- A.
〈男性向〉大きい取っ手

- B.
〈女性向〉小さい取っ手


ちょっと大きめのスクエア&フラットなお皿です。
5ミリほど縁を立ち上げただけのプレートですが、
ティータイムのお菓子皿として、デザート皿として、
お揃いのマグと一緒にいろいろなシーンで活躍してくれます。
「還元焼成」によって生まれる自然な「くすみ」。
白マット釉のやさしくあたたかい色合い。
直線的なデザインでありながら、やわらかく素朴で味わい深い
その表情は、「土もの」いわゆる陶器の魅力そのものです。
金子さんは、強度を兼ね備えながら、やわらかな表情を出すために
材料の土にも細心の心配りをされています。
そして、この作品は、焼肌に施されたベンガラによる
ワンポイントの絵付が特徴です。

素朴なラインで描かれる季節の絵が、ティータイムを、
ちょっと楽しくしてくれそうですね。

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金子あきともさんのマグカップ&絵付角皿を、
セットでそろえていただくとこんな感じ。

お使いの方に合わせた取っ手サイズのマグカップ。
絵付けの柄はその日の気分でチョイス。
いろんな絵柄が、何枚あっても楽しいですね。

- ちょっと
ティータイム♪


- アレ?
ケーキの下に絵が…


- ウサギさんでした。
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ひろ~い恭仁京(クニノミヤコ)の大極殿(だいこくでん)
跡の史跡を通り過ぎ、里山の方角になだらかな坂を
登っていくと、目印のような桜の大木が
二本見えてきました。
大きな庭の背後にある古びた平屋の細長い建物は、
そのかわいらしいサイズから幼稚園の風情です。
ここが、金子あきともさんの自宅兼工房
〈ミカノハラ陶工舎〉。
2010年のお正月に、家族とともに大阪郊外の
自宅兼窯をこの地に移されました。
「みかの原わきて流るるいずみ川・・・」と、
百人一首にも詠われている京都府南部、加茂は、
かつて聖武天皇によって、恭仁京(クニノミヤコ)が
建設されました。金子さんは村の中にある今は
使われなくなった幼稚園の建物を見つけ、
あたらしい窯を開き作陶活動の拠点にすることを
思い立ったそうです。
瓶原(みかのはら)の瓶という字は、「びん」、
あるいは「かめ」の意味。
陶器とは深いつながりのある地名でもあります。
滔々と流れる木津川や里山の風景など自然に
あふれるこの地で、村の人たちと交流し、
畑を耕し子供を育てる暮らしそのものが、金子さん自身の表現活動ともいえそうです。
かつて、園児たちの元気な声があふれていたここには、
今は陶芸教室の生徒さんたちが集います。
金子さんの夢は、かつての都のように、瓶原にモノづくりをする人、
お年寄り、遠くから訪れる人など、さまざまな人が集うこと。
〈ミカノハラ陶工舎〉がその拠点になればいいなぁと、考えておられるようです。
ミカノハラ陶工舎 http://yestamaya.com

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